壊滅的被害を受ける施工会社と、ビッグサイト問題を深掘りしないマスコミの不思議

大きな反響をいただき、8万件台で停滞していた署名数がわずか数日で14万件を突破しました。問題があることが、多くの皆様に認知していただいたことに意義があり感謝しています。4/26の説明会を前に、もう少し事情説明を加え理解を深めていただきたいと思います。

展示会を支えるディスプレイ施工会社は壊滅的被害を受ける

ビッグサイトの20ヵ月の利用制約で誰が被害をうけるのでしょうか。まずは主催者ですが、1年に1度程度開催の場合、特に業界団体が主催の場合は企業ではないので経営的危機を感じるはずもありません。一方、複数の展示会を事業として主催している企業の場合は甚大な影響を受けます。主催者ですらスタンスの違いが大きく、問題を顕在化できなかった要因です。

 

そして、ビッグサイトの開場以来20年。展示会開催を支え続けているディスプレイ施工会社が壊滅的被害を受けます。主催者がどうあろうと、展示会やイベントを現場で支えるのは「ディスプレイ施工会社」です。1日で展示ブースを作り上げ、終了後は一夜のうちに撤去する。中堅企業もありますが中小零細を含む200社を超える会社があり、それぞれに職人さんたちを抱えています。

余談になりますが、この見栄えがよく、壊しやすい展示ブースを作るというノウハウはテレビや舞台の大道具さんと同じと聞きました。実際に、大道具さん経験者が会社を起こし施工会社を営んでいる例があるようです。そして、そこには(失礼な言い方になりますが)売れない俳優さんなどが収入の足しとして働くケースが少なくないようです。

イベントや展示会開催を支えるのは、施工業者だけではなく機材・機器レンタル業者、人材サービス業(コンパニオン、警備員)などがあります。これらの事業が13ヵ月間は西ホールだけに半減。とどめを刺すように2020年の7ヵ月間は完全シャットアウトされます。休業補償などは検討されていません。閉鎖するという通告だけです。

ビッグサイト関連の売上の比率が高いのは自ら選んだ道で、自業自得だろうという意見もあると思います。しかし、再度述べますが1日で作り上げ、数時間で撤去するという荒業を業務とするならば、他の都合のいい仕事と兼業する事ができるでしょうか。次々に開催される展示会に合わせ準備し、終了後即時撤去するルーチンに対応すればするほど、ほぼ専業になってしまうのではないでしょうか。20ヵ月間は解散して他の仕事に就いて、20ヵ月後に再結成できると思われますか?

展示会関連の支援企業(下請け企業)は、立場が弱く個々に発言するすべも持ちません。そういった皆様と力を合わせるべく、3月に施工会社を中心に署名特設サイトの賛同企業として加わっていただきました。

「国際イベントニュース」で取材された内容をご覧いただくと切実な実情がわかります。
◇東京造型美術(東京都中央区)  ◇ボックス・ワン(東京都江戸川区)

ビッグサイト会場問題を深掘りしないマスコミの不思議

展示ブース施工会社の多くはビッグサイトから近い江東区、江戸川区にあります。つまり東京都が招致したイベントの影響で、お膝元の納税企業数百社に被害が及ぶという重大な事態なのに本格的な取材報道がされていません。

個人的にもメディアに複数取材を受けて、記者が「これは広範囲に渡る大問題ですね!」と熱く語って帰っても、その後に深掘りをした検証報道には至りませんでした。1/26に日展協ほかが共同記者会見を行って110媒体が集まった時も、「記者会見が行われました」との表面的報道がほとんどでした。特に大手マスコミほど取り上げない、この不思議な扱いの理由を考えてみました。

1,被害者がギャーギャーと悲鳴を上げていない(絵にならない)

2,主催者が2019-2020年の開催が縮小・中止見込みだと、ほとんど発表していない

3,イベントや展示会は遊び中心なので、縮小・中止は問題がないと誤解している

4,被害を受けるのは零細企業中心で、取るに足らない事態だと思っている

5,小国並みの予算を持つ東京都の意向を”忖度”し、波風を立てないようにしている

この中に正解はないかもしれませんが、いよいよ会場問題が明確になる「4/26説明会」を迎えます。1/20に8.1万件の署名を小池都知事宛に提出しましたが、その後に本件に対する回答はありません。今回の内容が問題解決に向け進んでいるのか、ゼロ回答なのかが注目されます。また、それを各メディアがいかに報道するのかを皆様には見守っていただきたいと思います。

地方の印刷会社が管理する署名サイトへの違和感とその経緯

本件の影響が産業全体に渡る広範囲で重大な事態であると知られると同時に、その署名特設サイトを地方の印刷会社がなぜ行っているのかという「違和感」に気づかれた方がいらっしゃると思います。これを最も感じているのは、むしろ私達自身です。矢面に立って代わりに推進していただける企業・団体があるのなら、どうぞお願いします。

会場問題が顕在化した2015年10月に影響を受ける有志企業が集まり意見交換。主導者である日展協で、署名サイトを立ち上げて欲しいと要望してできたのが現在の日展協サイト内の特設サイト。しかし、これでは一般個人の署名は集まらないと改善を求めるも、それなら「栄光さん、やってくれませんか」「個人に強いんだから」との回答。

たしかに日展協はBtoB。しかも主催者のお偉い面々が理事を務めていらっしゃいます。さらには、ビッグサイトなどの展示会場も会員に含まれるという、ややこしい構図があります。つまり300を超える企業・団体を束ねる日展協は、何事も理事会などの決議を経ないと事が決めれない協会であることはその時に理解しました。反対と言い切ることも、臨機応変に動き回ることも難しいことを忖度して「個人向けの署名サイト」を立ち上げることを引き受けました。

会場側に配慮して発言しにくい主催者ではなく、東京都からの圧力も掛からない田舎企業の方が遠慮のない発言が自由にできるという事が唯一のメリットでした。

最後に、「地方が空いてるでしょ」というご指摘について

ビッグサイト(8.0万㎡)と幕張メッセ(7.2万㎡)から溢れ出した比較的小規模なイベントなら収まるかもしれません。福岡のヤフオク!ドームでさえ1.3万㎡でビッグサイトの2ホールより小さいのです。国内で3番目に大きいインテックス大阪(7.0万㎡)でさえ、来場者が5万人規模になると交通インフラがパンク状態になり、すでに近隣住民の日常生活に負担をかけています。つまり交通・宿泊も含めたキャパで判断しなければなりません。地方のちょっとしたお祭り(イベント)で、近隣が交通マヒを引き起こしパニックになるような事態を経験されたことがありませんか。

パシフィコ横浜(2.1万㎡)、横浜アリーナ(1.3万㎡)も想定されます。各会場のイベントスケジュールを見てください。すでに多くのイベントが予定されています。音楽ライブの会場が確保できないことも、すでに問題になっていますね。空いて困っているわけではありません。すでに会場不足気味で、このまま2019年に突入すると音楽業界も巻き込んだたいへんな事態になることに気づいてください。

空港に置き換えて考えていただくと、もう少し理解いただけるでしょうか

国内で最も利便性が高い羽田空港をオリンピックのために、20ヵ月間、滑走路を半分閉鎖することになったとしましょう。そして会期中の7ヵ月間は完全閉鎖。ついでに成田空港も6ヵ月使えないとすると、どうでしょう?大丈夫ですか?

確かに地方には1日に数便しか発着しない空港があります。問題にもなっています。「地方空港の滑走路が空いているので、そこを使おう!」←これで、代替えできますか。

展示会のほとんどは商談会です。資源のない日本では特に「技術」「品質」「システム」「サービス」というものを発表し商談する晴れ舞台が展示会です。何も遊びで陳列している、お遊び会ではないのです。特に中小メーカーにとっては欠かすことのできない重要な営業活動です。日本の何処かでやればよいのではなく、利便性が高く交通・宿泊の整った状態でお客様を迎え商談する環境が必要です。

会場問題 特設サイト https://2020event.tokyo/
okada

この記事を書いた人

 / 記事投稿数:66
栄光の二代目社長。運動神経は悪いが、心は熱い! ロードバイクが命の週末ライダー。今は真剣に2020年会場問題に奔走中。

おすすめ記事

OKADA

株式会社栄光

同人誌印刷の栄光

印刷通販の栄光