いま、皆様にお伝えしたいこと

3月より即売会が延期・中止となるケースが増え、印刷会社を心配していただくお声をたくさんいただいております。また、SNS上でつぶやかれている多くのコメントも拝見しております。お気遣いありがとうございます。

しかし、同人誌印刷会社だけが苦しいわけではありません。イベント主催者様の場合は「開催して非難を受け、中止しても非難を受ける」どちらを選択しても賛否があるという悩ましい立場にあり、積もり積もった心労はいかばかりであろうかとお察し申し上げます。

そんな中で主催者様が決断された開催・中止などの方針は100％支持し、全力で対処し協力もいたします。

そして、サークルの皆様におかれましても、働かれている業種によっては大きなダメージを受けられている方が少なからずいらっしゃるはずです。何よりもご自身の生活と生命をお守りください。

と、立派なことを言っておきながら･･･　　いま、苦しくない会社なんてありません。”底なし沼”に落ちてしまった苦境の中にあります。とにかく事業をつないでいけるよう、耐えるしかありません。「たいへんだ！」と騒いでいる会社だけがタイヘンなのではありません。

私たちにとって、即売会が開催され新刊が発行されることが最良ですが、いまは自社利益だけを考えた軽率な発言は許されません。

そこで、心身ともに余裕のある皆様については、お願いできるのであれば本を創り続けていただきたいです。同人誌書店やピクシブさんのBOOTHなど頒布する術をお持ちの方は、即売会用に作りかけた原稿があれば、どうぞそのまま本を仕上げてください。

そして、普段からお使いになっている、印刷会社に引き続きご注文願います。

特定の同人誌印刷会社、数社だけが生き残ったのでは、ダメなのです。巨大イベントで創作される3万サークル以上のオーダーを、数社では到底支え切れません。単なる印刷会社は日本に数万社(※1）ありますが、同人誌文化を理解して初心者も含めた作り手に寄り添える印刷会社は限られます。

Ⅰ　GW前後の締切日設定を超繁忙期対応シフトから、普通期締切にリセットしました

Ⅱ　新規の預かり在庫期間を最大3ヵ月延長します

同人誌セットの新規注文時から「6カ月間無料預かり」させていただいています。しかし現在、多くの即売会が延期・中止となっており、頒布の機会が失われています。

結果的に、お預かりしている本の出庫可能性も失われます。そこで、栄光では新規で作られた本の預かり期間から本年の「3月」「4月」「5月」は期間に入れない（スキップさせる）ことにしました。

つまり、この対象期間に作られた本であれば預かり期間のカウント開始は6月からとなり、11月までが無料預かり期間となります。昨年12月中に作られた本の場合は、1月カウント開始ですが3カ月を丸々スキップするので9月までお預かりいたします。

しかし、再延長中の預かり在庫については管理が複雑になるために、新規での最初の無料期間の6ヵ月間のみを対象とさせていただきます。ご了承ください。

Ⅲ　忙しさに紛れてできなかった商品開発、取り組みも進めます

創作意欲を刺激する小ネタを少しづつ発信し、キャンペーンも考えます。そして即売会が本格的に再開された時には、バージョンアップした栄光になっているよう頑張ります。

こんな時だからこそ、危機感を共有して業界内で合同のキャンペーンを開催するべく準備が進んでいます。とはいえリアル即売会ができない以上、考えられる手段は限られます。

これらは2020オリ・パラ開催に伴い「2020年6月～9月中旬のビッグサイトが完全閉鎖される期間」に首都圏で大規模イベントができず売上が大幅に減少する対策として検討されていたものです。

オリ・パラ対策が、コロナ対策となる皮肉な結果です。さらに残念なことにオリ・パラは2021年に延期されたので、私たちはもう一年”会場問題”に悩まされることになります。

最後にふたたび、心身ともに余裕のある作家様については本を作って発行してください。できればGWに発行して、夏にも発行してください。皆様の健全な（？）妄想力と創作力が私たち印刷会社を救えるのです！

≪4/6訂正≫　印刷会社は日本に数万社(※1）
日本の印刷会社は減り続けて、経済産業省の工業統計では2017年に10,245社となりました。
そして2018年集計では1万社を割り込む見込みなので、「数万社」というのはかなり古い情報となりますので、「約1万社」が正しい表記となります。