デュッセルドルフにて、会場問題を考える

印刷業界30年にして、ついに世界最大の国際総合印刷機材展「drupa 2016」視察ツアー(ドイツ・デュッセルドルフ)に参加を決意。4年に1度開催される印刷業界のオリンピックのようなもので、いまさらですが初参加です。

しかし事もあろうことか、その出発の数日前にとんでもないニュースが配信されました。

「イスラム国」?デュッセルドルフでテロ計画
(2016年6月3日 読売新聞 YOMIURI ONLINE)

これから向かう、会場のあるデュッセルドルフで「2人が旧市街の通りで自爆テロを行い、他の実行役が銃や爆発物で通行人らを無差別に攻撃する計画だった」・・・「だった」じゃないですよ! 準備万端整った後で、いまさらキャンセルもできず。いちおう計画していた男たちは逮捕され、ドイツでの被害者も出てないことを心の拠り所として日本を出発しました。

添乗員さんからも、ドイツ現地の犯罪発生率は日本の4倍。お尻のポケットには財布は入れない。ひったくり、スリ、置き引きは日常茶飯事だと、脅しまくられ、ビビりまくりのココロでドイツに到着しました。

デュッセル旧市街ライン川

デュッセルドルフ旧市街・ライン川を望む人々

各州で難民を受け入れたのち、難民による暴行事件、強姦事件が各州で発生していると聞きました。しかし、現地に住む人たちは平然とした態度で暮らしています。リスクと背中合わせだからこそ、今を確実に楽しんでいるように思えました。

会場駅 駅構内

さてデュッセルドルフの展示会場は26.3万㎡で、世界7番目の広さです。日本最大のビッグサイトの3倍の広さです。さらにドイツにはここ以上の展示会場がハノーバー、フランクフルト、ケルンにもあります。つまりヨーロッパの産業の中心としての役割をうまく引き込んでいます。

驚くことに、展示会場に電車が乗り入れています。つまり、終点が展示会場のど真ん中なのです。そして駅の出札口が、展示会のチケット確認のゲートになっています。申し込みの二次元コードをかざすと、出札口で入場証が名前入でプリントされて出てきます。荷物を預けるクロークも駅構内にあります。ドイツらしく極めて合理的なしくみです。

ドルッパ入口  広い会場

展示ホールは17館まであり、周りにも広いスペースが確保されているので待機列には不自由しません。コミケ3日分を1日で開催することが可能という計算ができます。朝5時から50万人が一気に押し寄せると、交通インフラはパンクしますね。広々とした敷地が、人で埋め尽くされる光景は、ドイツ人なら間違いなく腰を抜かすと思われます。

さて、本稿は2020年会場問題を海外からの視点で論じるためのものです。drupa 2016 での印刷の最新トレンドと、ドイツでの日本漫画のミニ情報は別の機会とします。

日本の展示会事情が貧弱な事をご理解いただきたい

日本最大の展示会場であるビッグサイトの規模は、今や世界72位です。20年前に完成した後、展示会場の建設は止まったままです。「箱モノを作ることは悪!」という刷り込みの影響を受け、20年の空白ができてしまいました。そしてこの20年間で世の中のビジネスモデルは、大きく変わりました。

個々の企業を訪問し商談する形態から、展示会などで本格的な展示やプロモーションを行い商談する形態に重きを置くようになりました。実際に大手企業の支店の営業の数は減る一方です。音楽業界でもCDなどのパッケージ販売から、ライブ・イベント開催などによる収益モデルに軸足を移しています。

20年前と比べれば、開催される展示会やイベント数は間違いなく増大しています。2013年頃には国会でも「巨大な展示会が必要」と安倍首相が答弁しましたが、一歩踏み出せぬまま最悪の2020年を迎えようとしています。

展示会業界やイベント業界が、会場が足りないと駄々をこねているのではありません。世界のビジネスモデルが変化したことによる「会場の絶対量が不足している事実」を一般の皆様に知っていただきたいのです。

「展示会のためのビッグサイト」が東京五輪に伴いメディアセンターとして使用されるために、7ヵ月間閉鎖されます。イベント関係者にとっての大動脈を止められることの深刻さを理解いただけるなら、問題解決に向けての署名サイトをご覧のうえ、ご協力ください。

http://2020event.tokyo/

大聖堂にて

ケルン大聖堂にて平穏な世を祈る

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栄光の二代目社長。運動神経は悪いが、心は熱い! ロードバイクが命の週末ライダー。今は真剣に2020年会場問題に奔走中。

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